相談事例Q&A

粉飾経理と還付

[平成27年6月1日現在法令等]

Q. 質問

 税務調査において、過年度に在庫を過大に計上して申告をし、納税したことを説明し、調査でこの過大在庫を認容してくれるよう要請しましたが、調査官に直近期の修正申告書を提出するよう言われました。どのように対応したらよいでしょうか。また、納税額は発生するでしょうか。

A. 回答

 仮装の利益を調整せずに過大な所得金額をいったん申告した場合は、法人がたとえ更正の請求をしても受け付けられません。その後の確定決算で粉飾事実の修正経理を行い、それに基づく確定申告書を提出するまでは、税務署長は仮装経理による過大申告について、減額更正をしないことができることになっています。  更正を行った場合においても、税務署長は仮装経理に係る法人税額を直ちに還付せず、まず更正の日の属する事業年度開始の日前1年以内に開始する事業年度の所得に対する法人税の額(附帯税の額を除きます。)で、当該更正の日の前日において確定している額までの金額を還付し、残額は更正の日の属する事業年度開始の日から5年以内に開始する各事業年度の所得に対する法人税の額から、順次控除することとされています。  なお、平成21年の法人税法改正により、会社更生法などの企業再生事由が生じた場合には、法人税額の還付を請求することができることとなりました。  粉飾事実を修正した申告書を提出することで、納税額が発生することはありません。

参考条文等

法人税法 第70条 法人税法 第129条第2項 法人税法 第135条


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