相談事例Q&A

役員退職給与の損金算入と源泉徴収(平成24年度税制改正を踏まえて)

[平成27年4月1日現在法令等]

Q. 質問

 製造業を営む法人 (事業年度は1月1日~12月31日) ですが、平成24年12月25日の臨時株主総会において、 取締役甲に対する役員退職給与の額5千万円の支給決議が行われました。この5千万円について、平成24年12月期の損金算入は認められるでしょうか。  また、この場合、 平成24年度改正税法による退職給与に係る源泉徴収の税額計算における2分の1部分の計算廃止が排除できるでしょうか。

A. 回答

1.法人の役員に対して支給する退職給与の損金算入時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。一方、役員退職給与の額が不相当に高額の部分の金額は、過大な役員給与として損金の額に算入されません。 そうしますと、ご質問の場合、平成24年12月の臨時株主総会により、取締役甲に対する役員退職給与の支給額5千万円が確定したということですので、不相当に高額でないことを前提にする限り、平成24年12月期の退職給与としての損金算入が認められます。 2.この場合、退職給与の支給確定の時期は、平成24年12月25日となりますので、支払うべき退職給与5千万円については、2分の1の計算が認められます。 即ち、退職給与の2分の1廃止の改正所得税法201条は、 平成25年1月1日以降に支払うべき退職給与から適用されることが規定されていますので、ご質問の場合、「退職所得の受給に関する申告書」の提出があれば、従前の所得税法201条が適用されると考えます。 [参考] 平成24年度税制改正の特定役員退職所得控除額の見直し ・平成24年度税制改正の役員退職所得の改正については、一般従業員の退職金とは異なる事情にあることを踏まえ、勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得について、2分の1課税が廃止されました。 ・この改正は、所得税は平成25年分から、住民税は平成25年1月1日以後に支払われるべき退職金から適用することとされています。 ・上記の規定の対象となる特定役員等の定義 (1)法人税法第2条第15号に規定する役員(法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、 監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち一定のものをいいます。) (2)国会議員及び地方議会議員 (3)国家公務員及び地方公務員

参考条文等

法人税基本通達 9-2-28 法人税法 第34条第2項 法人税法施行令 第70条 所得税法 第201条


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