棚卸資産に係る評価損と製造原価 〔税研より〕
[平成27年4月1日現在法令等]
Q. 質問
平成20年7月2日付の改正法人税基本通達において、法人税基本通達5-1-4の(7)が削除されたことによって、評価損は当期の費用として取り扱われることが明らかになったと承知しております。しかるところ、原材料等の評価損については製造原価性があることが明らかになったとの報道がなされていますが、私の考えでは、通達において、原価に算入してもよいし算入しなくてもよいとする通達からは削除されて、むしろ原価に算入しない費用とすべきものと思われます。なお、この通達自体が原価算入についてどちらでもよいという点に問題があるように思われますが、この点についてご解説下さい。
A. 回答
法人税基本通達5-1-4は、まず同通達の前の5-1-3においては、製造原価に算入すべき費用について明らかにしています。つまり、同通達5-1-4は、企業が製造原価に算入した場合には、それを認め、また、企業が製造原価に算入しない場合にも、それによることとしています。そして、これを算入するかどうかは、適正な原価計算を前提としているのです。
そこで、今回、評価損は、会計基準によって、原則として、当期の期間費用とすることが明らかになったので、これを削除したものと解されます。したがって、評価損の額を製造原価に算入することは認められないと解すべきです。
【解説】「税研」Vol.24‐No.3(142号) 2008.11 58~60頁 参照
参考条文等
法人税基本通達 5-1-3、5-1-4
法人税法施行令 第32条第2項
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