前期自己否認した上場株式に係る評価損につき当期に再度評価損計上の可否 〔税研より〕
[平成27年4月1日現在法令等]
Q. 質問
当社は、前事業年度において、長期保有目的で所有する上場株式について、会計上減損処理を行いましたが、税務上の処理については、株価の回復可能性を判断した結果、合理的な判断基準に該当しなかったことから、その会計上減損処理した金額を申告調整により所得金額に加算して申告を行っていました。
ところで、この上場株式の株価は、当事業年度末時点でも帳簿価額の50%相当額を下回ることになり、税務上の株価の回復可能性を改めて判断した結果、合理的な判断基準に該当したため、当事業年度において評価損として損金算入できる状況にあると考えています。
このような過去の事業年度における評価損否認金のある上場株式について、その後の事業年度において、損金算入できる合理的な判断基準に該当することとなった場合には、損金算入の処理や損金算入される金額はどのようになるのでしょうか。
A. 回答
評価損否認金の額(過去の事業年度において有税で減損処理した金額をいいます。)のある上場株式について、その後の事業年度で、税務上評価損を計上できる状況になった場合には、評価損否認金の額も含めて、その事業年度の損金の額に算入することが認められます。なお、この場合の具体的な取扱いは、次の通りとなります。
1.評価損否認金の額については、その事業年度において申告調整により損金の額に算入した金額を、評価損として損金経理したものとして取り扱うこととされています。
2.評価損として損金算入の対象となる金額は、その事業年度末における帳簿価額と株価との差額となります。
(注)税務上、評価損として損金算入される金額は、あくまでも損金経理した金額に限られますので、会計上減損処理していないものは含まれません。
【解説】「税研」Vol.25‐No.1(146号) 2009.7 65~66頁 参照
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