一定の基準により代金を精算する約定がある場合における更正の請求の是非 〔税研より〕
[平成27年4月1日現在法令等]
Q. 質問
当社は、鉄骨建築工事用の鉄骨資材を受注し、その製品は、指定場所での車上渡しにより納品しております。工事の性格上、設計変更がたびたびありますが、当初設計に基づく納入資材の重量等により算定した代金により受注し、設計変更に基づく代金の増減は、最終的に納入資材の重量等が確定した段階でその重量等により精算する約定を締結しています。今回、平成X0年6月期において約5,000万円で受注した製品をその指定場所に納品し、その代金も受領しましたが、その後、設計変更があったことにより最終的に計算すると約4,000万円分の製品納入であったことが判明し、平成X1年6月期に入ってから発注者がその差額の代金返還を求めてきたので、同額を返還しました。
ところで、本件は、平成X0年6月期の収益に計上した5,000万円が間違いであったのであるから、その期の法人税について更正の請求をすれば認められるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
A. 回答
製品の重量等を基準に代金を精算する約定があったとしても、当初の5,000万円で資材を納入する契約は正当に成立しており、平成X0年6月期の所得計算に間違いがあったわけではありませんので、その期の法人税について更正の請求をしても、認められないと考えます。
本件返還金に係る損金の額は、平成X1年6月期において計上すべきものです。
【解説】「税研」Vol.25‐No.5(150号) 2010.3 70~72頁 参照
参考条文等
法人税法 第22条
法人税法基本通達 2-1-4
国税通則法 第23条第1項第1号
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