相談事例Q&A

同族会社の非常勤役員に支給する報酬の損金算入の可否について

[平成26年5月1日現在法令等]

Q. 質問

 法人税法上、従前は、同族会社の非常勤役員に年1回支給する非常勤報酬は損金算入されていましたが、法人税法の改正があり損金不算入となったということですが、本当ですか。

A. 回答

[結論] ご質問のように平成18年度法人税法改正前には役員報酬として損金算入が認められていましたが、改正後は、事前確定届出書を提出しない限り損金算入は認められないこととされました。したがって、同族会社の非常勤報酬の場合、事前確定給与届出書を提出すれば、損金算入が認められると考えます。 [解説] 1 改正前の取扱い 平成18年度税制改正前の法人税法においては、役員に対する臨時的な給与のうち、他に定期の給与を受けていない者に対して継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づき支給されるもの、たとえば、非常勤役員に対して年1回又は年2回所定の時期に支給する給与は、役員報酬に該当し損金の額に算入することとされていました。 2 改正後の取扱い (1)平成18年度法人税法改正において、役員給与は、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与に該当しない限り、法人税法上の損金として認めないことが規定されました。 (2)法人税法第34条第1項第1号に規定する定期同額給与とは、「その支給時期が1月以下の一定の期間ごと」である給与、すなわち、あらかじめ定められた支給基準(慣習によるものを含む。)に基づいて、毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反復又は継続して支給されるものをいうのであり、たとえば、非常勤役員に対し年俸又は事業年度の期間俸を年1回又は年2回所定の時期に支給するようなものは、たとえその支給額が各月ごとの一定の金額を基礎として算定されているものであっても、同号に規定する定期同額給与には該当しないものとして改正されています。 (3)一方、非常勤役員に対する年俸又は期間俸等の給与につき法人税法施行令第69条第2項《事前確定届出給与の届出》に定めるところに従って納税地の所轄税務署長に届出をしている場合には、当該給与は法人税法第34条第1項第2号に規定する事前確定届出給与に該当するとして規定しています。 (4)したがって、ご質問の場合、改正後の法人税法においては、このような給与は定期同額給与として損金の額に算入することはできないこととなりますが、他方、その給与が毎年所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づき支給するものであれば、事前確定届出給与として一定の時期までに所定の事項について所轄税務署長への届出を行うことにより、損金の額に算入することができることとなります。

参考条文等

法人税法 第34条 法人税法施行令 第69条第2項


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