相談事例Q&A

元代表取締役の長男に対する家賃負担 〔税研より〕

[平成28年12月1日現在法令等]

Q. 質問

 当社の元代表取締役Aは、高齢のためにすでに引退し、一切、当社の役職には就いておらず、当然、報酬等の支払いも行っていません。  一方で、当社はAの長男Bとコンサルタント契約を結び、営業方針や取引先の選定、新規採用などについての助言を受けています。ただし、Bは、当社とは、資本的にも業務上も関係のない他社に勤務をしている関係で、直接Bのコンサルタント業務に対する報酬等を支払うことはできません。そこで、代わりに、Bの住居について家賃を負担することとし、Bの住居を当社の連絡事務所と位置付け、その家賃(年間480万円)を経費として経理処理しております。  本来であれば、コンサルタント業務に対する報酬を支払うべきものと考えますが、連絡事務所の家賃も、いずれにせよ、経費でありますので、税務上も損金算入されて問題はないものと考えますが、いかがでしょうか。  なお、Aは当社の筆頭株主で40%を所有していますが、Bは株主ではありません。

A. 回答

 本来、コンサルタント料として支払うべきものを、その相手方の住居を自己の連絡事務所とした上で、その賃借料を負担するものとする会計処理は仮装経理に該当する恐れがあるものと考えます。  役務提供に対する報酬額が、不相当に高額な場合には、その不相当に高額な部分については、税務上、寄附金などとして損金不算入とされるものと理解されます。 【解説】「税研」Vol.31-No.4(184号) 2015.5 68頁~70頁 参照

参考条文等

法人税法 第37条


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