相談事例Q&A

誤謬の訂正 過年度遡及会計基準

[平成29年3月1日現在法令等]

Q. 質問

 会社契約の保険について、過年度より資産計上すべきものを損金処理していたことが当期において発覚しました。これについて、会計上及び税務上どのように処理すべきですか。

A. 回答

 国税庁より、『法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について』、が公表されています。これによると、従来は誤謬が発覚した時点の属する会計期間において、その期の損益として前期損益修正項目で処理を行っていましたが、改正後は、誤謬の原因が発覚した会計期間の財務諸表に過年度の期間に関する累積的影響額を修正再表示することが原則となりました。  この会計基準に基づく遡及処理は、過去に「確定した決算」を修正するものではないことから、遡及処理が行われた場合でも、過年度の確定申告において誤った課税所得の計算を行っていたのでなければ、過年度の法人税の課税所得の金額や税額に対して影響を及ぼすことはなく、会計上、累積的影響額は当期期首の資産・負債・純資産に反映されることになります。この場合、当然に利益剰余金の前期末残高と当期首残高が不一致となりますので、法人税法においては、当期の申告書別表に所要の調整を行うことになります。  しかし、法人が誤った課税所得の計算を行っていた場合等、国税通則法等の規定により修正申告を要す期間については、該当各年度の法人税申告書別表において、過少申告として修正申告が必要となります。

参考条文等

国税庁 法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報) 国税通則法 第72条、第73条


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