工期の途中から長期大規模工事となった場合の前期分の申告〔税研より〕
[平成30年8月1日現在法令等]
Q. 質問
当社は中小の土木工事会社ですが、前期に工事期間9か月で宅地造成工事を受注しました。当期に入って基礎工事を開始したところ、地中から中世期の遺構らしき痕跡が発見され、その調査のために工事が4か月ほど中断してしまいました。
さらに、悪天候や資材調達の遅れなども重なり、工事期間は当初の予定よりも6か月延び、造成地の引渡しは来期にずれ込むこととなりました。
当社の会計期間は4月1日から翌年3月31日までであり、すでに前期の決算を通過しておりますが、この工事については、当初の予定工事期間が9か月であり、1年未満でしたので、前期は工事完成基準を適用して決算及び税務計算を行っています。
ただ、この工事につきましては、前述の通り、工事期間が1年を超え、さらに、引渡しが次期となりますので、当期は工事進行基準によって税務計算をしなくてはいけないと思います。この場合、すでに通過してしまった前期の決算や税務計算も、やり直さなくてはならないのでしょうか。
A. 回答
工事期間の途中で長期大規模工事に該当することとなった場合にも、原則としては工事期間を通じて工事進行基準によって請負工事に係る収益の額及び費用の額を計算することになります。
ただし、既往年度分の請負工事に係る収益の額及び費用の額については、選択により、長期大規模工事に対して工事進行基準を適用した場合の収益の額及び費用の額に含めないことが認められています。
【解説】「税研」Vol.32-No.1(187号) 2016.5 86頁~88頁 参照
参考条文等
法人税基本通達 2-1-5
法人税法 第64条 第1項、第2項
法人税法施行令 第129条 第1項、第5項、第8項
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