相談事例Q&A

欠損金の繰戻し還付 解散事業年度が納税の場合

[平成30年9月1日現在法令等]

Q. 質問

 当社は、4月1日から3月31日を事業年度とする中小企業者等に該当する株式会社です。この度、X年12月31日に会社を解散しましたが、解散事業年度には所得が生じ納税となり、翌清算事業年度に青色欠損金が生じました。この場合、青色欠損金の繰戻し還付の規定は適用できますか。

A. 回答

 青色欠損金の繰戻し還付の規定は適用可能です。現行の法人税法においては、清算中の事業年度においても、原則として各事業年度の所得と同様の法人税法が適用されます。ご質問のケースは、法人税法第80条第4項(解散等の事実が生じた場合の特例)との兼合いから混乱を生じますが、当該規定とは逆の通常のケースであり、解散みなし事業年度(X年4月1日~X年12月31日)が還付所得事業年度で、翌清算事業年度(X+1年1月1日~X+1年12月31日)が欠損事業年度となります。  したがって、通常の事業年度と同様、還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度まで連続して青色申告書を提出し、欠損事業年度の青色申告書と還付請求書を提出期限までに提出する等の適用要件を満たすことにより、当該規定の適用対象となります。  なお、解散みなし事業年度となる還付所得事業年度の法人税額を計算する場合等、当該事業年度が1年未満となる場合には、中小企業者等の軽減税率の対象となる年800万円以下の所得金額は、法人税法第66条第2項及び第4項の規定により月割計算となりますのでご留意ください。

参考条文等

法人税法 第14条第1項1号・第21号、第66条第2項・第4項、第80条 租税特別措置法 第66条の13 会社法 第494条第1項 法人税法基本通達 1-2-4、1-2-9、17-2-2


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