相談事例Q&A

法人の解散に伴うみなし事業年度-破産手続開始の決定の場合-

[平成30年11月1日現在法令等]

Q. 質問

 当社は、事業年度が7月1日~6月30日の株式会社です。業績不振により、X年7月2日付けで破産法による破産手続開始の決定の通知がありました。この場合、解散事業年度と清算事業年度等は、それぞれどのような期間となりますか。なお、残余財産の確定の日は(X+2)年9月15日です。

A. 回答

 X年7月1日~X年7月2日が解散事業年度、X年7月3日~(X+1)年6月30日が清算第1事業年度、(X+1)年7月1日~(X+2)年6月30日が清算第2事業年度、(X+2)年7月1日~(X+2)年9月15日が清算確定事業年度となります。  株式会社等が解散等をした場合における清算中の事業年度については、法人税法基本通達1-2-9に従って取扱われます。しかし、会社法第475条1号カッコ書きにより、破産手続開始の決定により解散した場合で当該破産手続が終了していない場合は除外されるため、会社法第494条1項(貸借対照表等の作成及び保存)に規定する清算事務年度は適用されません。したがって、法人税法上のみなし事業年度は、上記の通りとなります。  なお、破産法第2条第4項の定義による破産者は、一定の場合、同法第14章に規定する罰則が適用されます。また、破産管財人には通例弁護士が選任されるようですので、税理士が同法の破産管財人等に対する罰則の対象となることは実務上稀なことです。しかし、適正な財務諸表作成の目的は、第一義的に事業の自己報告であり、さらにそれを超えて、債権者保護に役立つとの思考があります。日々の税務会計業務においても、これらの思考は十分に留意すべきことと考えます。

参考条文等

法人税法 第13条、第14条第1項第1号、第14条第1項21号 法人税法基本通達 1-2-9 会社法 第475条第1号、第494条1項


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