相談事例Q&A

同族会社が行うサブリース取引

[平成30年11月1日現在法令等]

Q. 質問

 私(甲)は、所有する建物を個人(乙)に賃貸し、不動産所得として毎年確定申告をしていました。この度、同族会社(A社)を設立し当該不動産をサブリース取引にしようと思います。具体的には当該物件を、甲はA社に10万円で賃貸し、A社は乙に40万円で賃貸します。この取引は、税務上どのような取扱いとなりますか。

A. 回答

 法人が関係する低廉な価格による借地の場合と異なり、貸家の場合は認定借地権の問題は存在しませんが、法人は経済的合理性を追求する存在として、その取引は時価によることを原則とします。仮に、甲A社間の時価差額について、A社において仕訳起票すれば、地代家賃30万円/雑収入30万円という相殺取引が考えられますが、益金の基本規定である法人税法第22条第2項には「無償による役務の収受」の規定が存在しません。したがってA社において当該時価差額は認識しないこととなります。  しかし、現実的には、当該取引が甲にとっての節税対策の一環である場合、A社にとっての収益30万円は甲に対する役員給与等として甲の所得となることが考えられます。この場合、経済的実質が同じである当初の法形式における契約形態との課税の公平の観点より、同族会社等の行為又は計算の否認規定が適用される可能性があると考えます。したがって、当該同族会社の設立には、管理運営上の経済的合理性等について十分に検討すべきと考えます。

参考条文等

法人税法 第22条第2項、第132条 所得税法 第157条


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