相談事例Q&A

住宅ローンが消滅したことによる経済的利益

[平成27年4月1日現在法令等]

Q. 質問

 住宅ローンを夫婦連帯債務により契約し団体信用保険に加入していました。夫が死亡し住宅ローンが消滅した場合、妻の債務も消滅しますが、この経済的利益(債務免除益)は何所得に該当しますか。

A. 回答

1.所得区分  妻が受けた経済的利益(債務免除益)は一時所得の収入金額になります。団体信用保険制度は死亡事故が発生した場合、死亡時の住宅ローン残額を保険会社が金融機関に、債務者に代わって直接返済する制度です。したがって、債務者(夫婦)が保険金を一旦受取って債務を返済するものではなく、金融機関から債務免除を受けたことになります。この債務免除は被保険者である夫の死亡に基因して、死亡後に受けていますので、夫に対する経済的利益は所得税法上ないものとされます。  しかしながら、妻には、連帯債務者として実質的に債務を負っている部分について債務免除を受けたことによる経済的利益が生じたことになります。 2.妻が受けた経済的利益の計算  基本的には夫婦間の内部契約(特約)により妻が負担すべき債務の額です。内部契約(特約)がない場合は死亡時の住宅ローン残額に妻の家屋に対する持分割合を乗じた額となります。

参考条文等

所得税法 第34条、第36条 所得税法基本通達 34-1 所得税個別通達 団体信用保険に係る課税上の取扱い 昭和44官審(所)39


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