相談事例Q&A

被相続人が放棄した債権の一部返還 〔税研より〕

[平成27年4月1日現在法令等]

Q. 質問

 被相続人が会社に対して放棄した債権が、8年後にその会社の業況が回復したため、その一部約2,000万円が返還されました。これは、相続財産となるとした場合には、すでに時効によって課税できないと思われます。この点についてご教示下さい。なお、この一部返還は、いわば、かつての債務者(会社)からの相続人に対する贈与として相続人の一時所得であるとする考え方もあるようですが、この点についても併せてご教示下さい。

A. 回答

 本件は、被相続人の有していた債権が8年後に返還されたという点に着目すると、本来、被相続人に帰属すべきものと解することができ、この立場では、相続税の更正の期間(いわゆる除斥期間)は経過しているので、更正することはできないことになります。  これに対して、その返還金は、会社が相続人に対して贈与したものと解すると、被相続人とは関係がなく、相続人の所得と取り扱うべきことになります。この考え方が妥当であると思われます。会社としては、その債務については免除があったのですから返還の義務がないのに、自らの意思の下で相続人に贈与したことになるからです。この場合の所得の区分は一時所得となります。 【解説】「税研」Vol.23‐No,04(137号)2008.1 67~68頁 参照

参考条文等

国税通則法 第70条 国税通則法 第71条 所得税法 第34条 所得税法基本通達 34-1


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