相談事例Q&A

相続を放棄した相続人が受け取る生命保険金・退職手当金の課税関係

[平成26年10月1日現在法令等]

Q. 質問

 夫には生前、金融機関からの借入金が1億5千万円ありました。死亡時、土地・家屋・預貯金が1億円ありましたが、債務が多いため、妻は相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続をとりました。夫は妻を受取人とした生命保険を5千万円かけており、会社からは2千万円の退職金が支払われました。これらの相続税の課税関係はどのようになりますか。

A. 回答

 家庭裁判所の審判により相続を放棄した者が、相続税法第3条に掲げる生命保険金・退職手当金等を取得した場合には、相続人以外の者が遺贈により取得したものとみなされ、当該財産は相続税の課税対象となります。 この場合、相続税の基礎控除、配偶者の相続税額軽減の規定は適用されますが、 (1)生命保険金等及び退職手当金等に係る非課税規定 (2)債務控除 (3)相次相続控除 の規定は適用されません。  ただし、相続を放棄した者が現実に被相続人の葬儀費用を負担した場合は、遺贈によって取得した財産から債務控除することができます。

参考条文等

相続税法 第3条第1項第1号、第2号 第12条第1項第5号、第6号 第13条 第15条 第19条の2 第20条 相続税法基本通達 3-3、12-8、12-10、13-1、20-1


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