相談事例Q&A

取引相場のない株式の評価(類似業種比準価額/1株当たりの利益金額/非経常的な利益の金額)

[平成30年5月1日現在法令等]

Q. 質問

 評価会社はパチンコ業です。パチンコ台の入替に係る譲渡損益について、損益計算書上、固定資産売却損益勘定を使用しています。この場合、類似業種比準価額の算定上、1株当たりの利益金額から除外する非経常的な利益の金額について、財産評価基本通達183(2)に(固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額を除く)とありますが、当該譲渡益は除外の対象として問題ありませんか。

A. 回答

勘定科目等の形式的な基準では、非経常的な利益に係る除外対象の判断はできません。  評価会社の利益金額の計算上、非経常的な利益の金額を除外する趣旨は、類似業種比準方式における比準要素として、臨時偶発的に生じた収益力を排除し、その営む事業に基づく経常的な収益力を株式の価額に反映させるためです。したがって、その利益が経常的であるか否かを判断するには、評価会社の損益計算書上、「経常利益」「特別利益」等のいずれに計上されているかの形式的な基準で判断するのではなく、評価会社の事業の内容、その利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮して判断すべきと考えます。  なお、非経常的な利益の金額とは、臨時偶発的に生じた個々の利益の総体を指しますので、固定資産の譲渡が期中に数回あり個々の譲渡に売却益と売却損があるときは、個々の譲渡の損益を通算し、種類の異なる損益がある場合であっても、これらを通算し、その結果として利益の金額があれば除外することとなりますのでご留意ください。

参考条文等

財産評価基本通達 183(2) 平成20年6月26日 国税不服審判所裁決(公開) 東裁(諸)平19-221 平成25年2月14日 国税不服審判所裁決(非公開) 大裁(諸)平24-51


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