教育資金をめぐる税務 〔税研より〕
[令和2年10月1日現在法令等]
Q. 質問
三女(高校2年生)の就学費用のことで相談があります。娘は水泳の特待生で、この春、セレクションを通過し係属校へのスポーツ留学が決まりました。学費以外にもオプションの有料プログラムがあり、さらに、渡航費や寮費も嵩むので資金の工面に難儀しています。先日、帰省した折、このことを祖父に話したところ、総費用の半額ほどを援助してもらえることになりました。一度に多額の金銭を受け取ることになりますが、税務上の取扱いをはじめ留意すべきこと等ありましたらご教示ください。
A. 回答
[1]祖父から生活費や教育費の援助を受けても、通常必要と認められる金額であれば贈与税の対象になりません。事例の場合、各種プログラム費用や渡航費等はその年分の基礎控除額(110万円)を超過する部分について贈与税が課されます。
[2]ただし、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」 の適用を受けるための手続きを踏めば、教育資金として用いる限り贈与税は課されません。なお、平成31年4月1日以降は、受贈者の前年の所得金額が1、000万円以下であることが要件となります 。
[3]事例の留学費用(学費、各種プログラム費用、渡航費、寮費)は教育資金の範囲に含まれます。
【解説】「税研」Vol.34-No.6(204号) 2019.3 69頁~71頁 参照
参考条文等
民法第752条、民法第877条、相続税法第21の3第1項第2号、相続税法基本通達21の3-3、相続税法基本通達21の3-4、相続税法基本通達21の3-5、租税特別措置法第70条の2の2
<税務相談室>
共催:日本税理士会連合会、公益財団法人日本税務研究センター
支援:全国税理士共栄会
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