税務調査の根拠規定と事前通知について
[平成26年10月1日現在法令等]
Q. 質問
事前連絡なく税務職員が突然来て税務調査を始めましたが許されるのでしょうか。許されるとすれば、税務調査の法的根拠規定を教えてください。
A. 回答
税務調査に係る権限規定は、平成23年度の税制改正によって抜本改正され、改正国税通則法の第7章の2の「74条の9」の新設により、税務職員が質問検査権を行使する場合の税務調査の事前通知義務が創設されました。
同条は、税務署長等が当該職員に、質問検査権の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求を行わせる場合には、あらかじめ当該納税義務者(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)に対し、その旨及び次に掲げる事項を通知するものとするとして規定しています。
なお、同条は平成26年度の税制改正により一部改正され、平成26年7月1日以後に行う事前通知については税務代理権限証書に納税者の同意が記載されている場合には、税務代理人に対してのみ通知すれば足りることとして改正されています。
(1) 質問検査等を行う実地の調査を開始する日時
(2) 調査を行う場所
(3) 調査の目的
(4) 調査の対象となる税目
(5) 調査の対象となる期間
(6) 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
(7) その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項
以上の規定のとおり、改正通則法は、税務職員が税務調査を行う場合には原則として、質問検査等を行う実地の調査を開始する日時等々について事前通知をすることを義務付けています。
したがって、ご質問のように事前の連絡がなく、税務調査が突然行われたような場合には、原則として上記の規定に違背する税務調査が行われたこととなります。
しかしながら、上記規定の例外規定があり、課税庁が事前通知を要しないと判断する場合には、事前通知をしないで税務調査ができることの規定がおかれました。
この事前通知を行わない場合とは、課税庁が保有する情報等に鑑み課税当局が判断することとしています。
参考条文等
国税通則法 74条の9、74条の10
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