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2022年09月07日

金子宏先生ご逝去の報に接して

公益財団法人 日本税務研究センター

                      理事長 西村 新

 金子宏東京大学名誉教授が8月23日にご逝去されました。ここに、謹んで哀悼の意を表します。

 金子先生は、1953年に東京大学法学部を卒業後、助手、助教授を経て、1966年に東京大学法学部教授に就任、1991年に名誉教授となり、長年にわたり多方面で後進の指導に当たられました。2018年には文化勲章を受されております。

 主に租税実体法の中心である所得税・法人税の基礎を成す所得概念の研究をされ、戦後、租税法を独立の学問分野として確立されました。租税法を学ぶ者にとっての教科書としてとても著名な金子先生の『租税法』(弘文堂)は1976年に初版が発刊されてから、年々の税制改正等を踏まえ版を重ね24版となっています。

 当センターにおいても1984年に大蔵省から財団法人の認可を受けた当初よりご尽力いただき、理事、常務理事、副理事長、そして顧問と37年もの長きにわたりお務めいただきました。とくに、当センターの要である、租税制度、税務行政、税理士制度及び税務会計等に関する研究会では、部会長として長きにわたりご協力をいただき、近年には、日本国憲法施行70年を記念して、憲法と租税法という観点からの体系的、総合的な研究として「憲法と租税法」共同研究会を立ち上げ、その研究成果を『日税研論集』77号として取りまとめていただきました。

 これまでの御恩に深く感謝申し上げますとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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